EPUBプレビュアー EPUB-V

これは何

Macで動作する、EPUBプレビュアーです。ある程度EPUBの構造について理解している、製作者向けのツールです。

EPUBを書籍として閲覧するのではなく、中身を確認することを目的とします。EPUBの構成要素をブラウザで表示して、プレビューしたりソースを見ることができます。OPF等の内容もソースとして見ることができます。

また、EPUBバリデータのepubcheckを内蔵しています。開いたEPUBにバリデートをかけてエラー箇所を素早く見つけることができます。また、ファイル内の文字を集計し、使われている文字をチェックする機能もあります。

更に簡易編集機能でソースレベルでopf,xhtml,css等のファイルの修正をしてepubファイルとして再生成することもできます。

ブラウザで動作するWebアプリですが、サーバにデータが送られることなくオフラインで動作します。

お試し用にオンライン版を設置しました。100MまでのEPUBファイルで試せます。こちらからどうぞ。データはアップしたブラウザからしか見れません。

インストール

現バージョンはMacOSXに対応しています(10.7,10.8,10.9,10.10で確認ずみ)。

OSX 10.9,10.10 Mavericks/Yosemite以外では、最初に一度だけの作業として、スクリプト言語PHP5.4をインストールする必要があります。PHPのインストールについては、こちらを参照してください(コマンドライン1行コマンド打つだけで簡単です)。このツールはPHP5の内蔵サーバによるオフラインWebアプリとして動作します。

EPUB-V本体は、ダウンロードしたzipファイルを解凍して、好きな場所に置くだけでインストール作業は完了です。

Mavericks/Yosemite専用 : epubv_1_5_1.zip(5MB) Version 1.51 for Mavericks/Yosemite (2013/10/23)

それ以外のOS用ダウンロードはこちら : epubv_1_5.zip(5MB) Version 1.5 (2013/06/21)

アップデートの場合は、zipファイルの中身をそのまま入れ替えればokです。

起動方法

最初の一回だけ動作認証をする必要があります。start.command をファインダーから右クリックでメニューを開き、「開く」を選択します。すると実行して良いかどうかの確認ダイアログがでるので、ここで承認してください。2回目以降の起動は、ダブルクリックで大丈夫です。

起動すると、ターミナルが開いてPHPによるサーバが起動し、続いてブラウザでツールの画面が開きます。

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ブラウザはChromeかSafariを想定しています。デフォルトのブラウザ以外で使いたい場合は、"http://localhost:8001"を開いてください。

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開いたターミナルを閉じればサーバは停止します。

使い方

「ファイルを選択」ボタンでEPUBファイルを選択してから、送信ボタンを押すと、下の部分にEPUBの内容が表示されます。選択ボタンの上にファイルをドロップして選択することもできます。

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あとは見れば分かると思います。

OPFを表示した状態

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本文のプレビュー。プレビューはあくまでブラウザでそのまま表示するもので、EPUBリーダーとしてのレンダリングではありません。

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ソース表示に切り替えることができます。

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EPUBバリデート機能

[epubcheck]ボタンでEPUBバリデータのepubcheckを起動して、結果を右下に表示します。epubcheckの出力を整形して、ファイル単位にまとめてあります。ファイル名をクリックすると、上にそのファイルが表示されるので、エラー箇所を探すことができます。

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JAVAのランタイムがインストールされていない環境では、ダイアログがでますのでランタイムをインストールしてください。

簡易編集機能

[エディット]ボタンで、選択されているファイルをソースレベルで編集することができます。エディタはシンプルこの上ないただのtextareaです。

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[SAVE]ボタンで変更が保存されます。

修正した結果は、上部の[EPUB再パック]ボタンでEPUBファイルとしてダウンロードされます。

エディタが貧弱で困るという場合は、好きなエディタで編集することもできます。EPUB-Vで開いているEPUBファイルは、EPUB-Vのフォルダの下のdata/tmp/package の下に展開されています。これを直接好きなエディタで編集することができます。再パックすると直接編集したものも反映されます。

使用文字チェッカー

EPUBを構成するファイル、もしくは指定したファイル中を文字単位でカウントします。どのような文字が使われているかを一覧で見ることができ、意図しない文字やリーダで表示できない文字が含まれていないかどうかをチェックすることができます。

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左ペインの[使用文字(全ファイル)]で、OPFを含めxhtml,css,jsのファイルをすべて集計します。右ペインの上のボタンでは、選択されたファイル単体の内容をチェックします。

文字はASCII文字(半角英数記号)を除いたものを、以下の分類でまとめて表示します。

異体字セレクタやサロゲートペア文字は、現状一部のリーダーで文字化け等が発生するので注意が必要です。


BiB/iとの連携

松島 智さんの作られた、ブラウザEPUBビュアーBiB/i(ビビ)を呼び出すことができます。

BiB/iは BiB/i からダウンロードして、展開されたフォルダごとepubvのlibの下に丸々コピーして、フォルダ名を"bib"にリネームします。インストールはこれで完了です。

BiB/iがあると、トップのバーに[BiB/iで見る]ボタンが現れます。これをクリックすると、別タブでBiB/iが開き、プレビュー中のEPUBを閲覧することができます。

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トラブルシューティング

まれに、ブラウザ画面にエラーが表示される場合があるようです。その場合は、以下の対応を試して見てください。

ターミナル上で "Failed to listen on localhost:8001 (reason: Address already in use)"というエラーが出る場合は、アクティビティモニタから"php"というプロセス名のプロセスを終了させてから、start.commandを起動してみてください。


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